ダンディズム 
               
時空
   
                      Dandyism

2007年10月20日(土)〜10月21日(日)

 シアターBRAVA!




  〜オープニング〜

シャ幕がゆっくり透けて見え、深い森をイメージ
したジョーゼットカーテンが折り重なるように
浮かび上がり、一人の夢人(沙月梨乃さん)が夢の
世界に誘うように踊ります。
更に、夢人達が増え大空を舞うように華やかに
踊ります。
夢先案内人・未央一さんが唄います。

めぐりめぐって今この時に
 ふたたび目覚めた熱い思い
 だれもがずっと待ちこがれてた
 この瞬間の胸の高なり
  未来を照らす〜 






 ジョーゼットカーテンがゆっくり
と上がると、夢の宮殿のようなセット
が現れ階段上に洋さん、汀さんの
登場です。




 テーマ曲の1つ 
 ♪ 永遠の輝き  が情熱的に
歌い継がれます。
 これから始まる夢の世界に胸が
高なる瞬間です。

 ♪  〜 伝えたい 君に この喜び
  伝えよう 君に あふれる思いを〜
 


  二曲目のテーマソングは 

  ♪ 時空を越えて
 熱く、あふれる
 思いを高らかに解き放ちます。
 大きな拍手の中、艶やかに登場した
 汀さん、洋さん、メンバー揃って
 華やかなオープニングです。


オープニングの興奮冷めやらぬ中、
沸き立つラテンのリズムが
一気に会場の空気を熱くします。




キス・ミー・クイック  
 ブルーの衣装の洋さんの歌に
男役たちが加わり、陽気に客席に
せまります。
洋さん独特の甘さに、ちょっと
“ハニカミ”を含んだスマイルは
セクシーで浮気なラテンの“ノリ”に
ピッタリでとても魅力的でした。

階段を降りながらの汀さんの 

アイカランバ  
早いテンポで踊りながら、パッとマイク
を取って息も切らさずハイテンションで
歌うのが“アイカランバ”の醍醐味の1つ
であるが、汀さんのアイカランバは
エネルギー全開の迫力でした。
 
元OSKのメンバーとのからみも熱く、
早くも“BRAVA!”は輝く赤い
衣装のように燃えあがりました。


夢先案内 人の未央さんがラテンの熱を
静めるかのように  夢人 ♪ 
を甘くソフトに歌いシャンソン
の世界に案内してくれます。











サ・セ・パリ ♪  有希 晃さんたち
 OSKのメンバーが歌い踊ります。

  白の衣装にシルクハット、粋で
  メンバーが歌い洒落た趣きの

  汀さんの
 モン・パリ    

  洋さんは
  パリの屋根の下
 をしっとりと包み込むような
  やさしさで歌ってくれました。






沙月さんの歌う

 ♪ ラ・メール ♪ 
に洋さんと毬紗さんの幸せな
デュエットダンス。

ムーランルージュ
パリカナイユ
再び賑やかにOSKに
よる歌とダンス

未央さんと、OSKのメンバーが
舞台をおりて、なごやかなトークと
 ♪ 幸せを売る男  の歌で
客席と声を合わせました。



 〜ピアノ&トーク〜



 ♪ あなたに  の1番を洋さん、
 2番を汀さんが歌いながら
 階段から登場。
 佐野多由子さんのピアノで歌を、
 そしてふたりのトーク。
 かなりおかしい汀さんと洋さん、
 このまま歌劇をネタに漫才が
 できるのでは、とまじめに思って
 しまいました。



 ♪ 嵐を呼ぶ男
 と洋さんの
 ♪ シングシングシング
 のセッション。
 ピアノの佐野さんのアレンジで
 ステキに聴かせます。
 嵐を呼ぶ男は
 セリフとボクシングの振り入り
 で最後のラウンド、洋さんの顎
 にしっかり
 と汀さんのパンチが入っていま
 した。
 お互いの歌をとりかえ、汀さんが

 ♪ 闇の貴公子
 これは聞き物でした
 その歌う迫力はまさに“凄く強く
 て敵なしの安部晴明”という感じ
 でした。 





 洋さんが歌った 

星が近くに見える
 は汀さんの当たり役“沖田総司”。
 恋のときめきにとまどいながらも
 胸を熱くする初々しいばかりの
 “総司”がじっくり伝わって
 きます.
 この曲は洋さんがOSK時代、
 悲しいとき、嬉しいとき、星を
 見上げてよく歌っていた歌
 だそうです。

 お二人のセリフ入りのデュエットで
 聴かせた 

あなたの方が幸せ
 芸者玉勇と総司のつかの間の幸せ
 シーンで歌われたのでしょうか、
 ほのぼのした温かさの中にどこか
 切なさを感じさせます。
 夢にまでみた汀さんの相手役 
 “玉勇さん”を演じ、とても幸せ
 そうな洋さんでした。

 ♪ 愛あればこそ
  はもちろんベルばらから。
  2曲とも直前の爆笑場面にも
  かかわらず、一瞬のうちにその
  世界に誘う力量はさすがと感心
  しました。

  〜メモリー〜
 ♪  センセーション  未央さん。
 ♪ I GOT REVUE
 OSKメンバー。
 それぞれレビューの曲で発表
 された時期も違うのですが、
 宝塚とOSKの微妙な違いを
 感じるのも面白いものでした。






 洋さんの主演した“ASUKAの嵐”から
 仏法を広める使命に目覚めた
 聖徳太子の高貴な雰囲気そのままに

 ♪
 、そして 
 “エル・アモール・グランデ” から

 ♪ 光と影のソレア
 大きな愛のため命をもかけて戦った
 闘牛士アルフォンソ。
 その生きざまを思わせ、堂々と
 ゆるぎなく、声量豊かに歌い
 あげます。



 汀さんは“星影の人”から

 ♪ 生きるときめき
  そして、
 ♪ 丘の上の
 ジョニー

 それぞれの舞台の挿入歌なの
 ですが、その歌詞、その歌唱から
 舞台を観ていなくても場面が
 思い浮かびます。 
 “



 〜生きるときめきを〜” と心に
 誓う瑞々しい“総司”から




 一瞬で全く違う“ジョニー”に。
 純な心をもちながら、素直に
 気持ちを言葉にできない少年
 から青年にかけての屈折した
 ジョニーがみえました。
 
 



 OSKの 

 ♪ WE LOVE REVUE
 宝塚の 
 ♪ ザ・レビュー
 と華々しいレビューソング競演で
 1部終了です。


  〜絆〜
 あこがれ
 二幕目は短い芝居が演じられます。
 売り出し中の音楽グループ、汀さん
 演じるリーダーは自分が悪者に
 なってまで弟分の洋さんを引き
 立てます。
 洋さんは彼の深い思いを知り
 「いつかあなたと一緒に舞台に
 たてるよう!」と
 将来の夢への精進を心に誓い、
 そして、
 ♪ 憧憬〜あこがれ  が歌われます。
 この曲はリピート山中さんが、洋さんの
 熱い思いを込めて作って下さいました。

   〜 Forever
  あなたは わたしの夢照らす
  沈まぬ太陽  
Forever
  夢は終わらない
  あなたがそこにいる限り


 このフレーズが繰り返され、汀さんへ
 の熱い思いがじっくり伝わってきます。


  〜ダンディズム〜
 ♪ It ain't necessarily so
 汀さんが歌います。 
 ♪ おいらの人生 どうせしれたもの〜 
 とちょっと悪ぶったカッコイイ曲でした。

 その後はOSK怒涛のダンスシーンです。



 男役ずらりと揃ってスーツの上に羽織った
 ミスマッチな着物が印象的な 
 ♪ 007
 洋さんのソロで始まる
TAKE5
 最初のソロ場面、客席に背をむけての
 後姿のダンスは一段と切れがよく、
 シャープさスリムさにストライプの
 スーツが映え、目深な帽子と
 相まって、とにかくカッコいい。



 娘役4人の  Madness
 振りとその目線、醸し出される雰囲気
 はさすが大人です。
 そのまま舞台上で衣装が取られ、 

 ♪ タンゲーラ
 洋さんと沙月さんの“待ってました!”
 のタンゴ。 
 3組が加わり、クッと顎を上げた女は
 男と同等の情熱で向き合う、緊張感と
 妖しさ、くぎづけでした。


 ♪ SO IN LOVE 
 は黒燕尾による全員揃ってのタンゴ。
 手の先、表情、リズムを打つ踵の音、
 次第に高まっていく緊張感。
 振り付けの大谷盛雄先生の、これぞ
 男役の美学!を全員が見事に踊り、
 魅せつけてくれました。









  〜メッセージ〜
 汀さん洋さんの「〜ダンディズム〜
 への思いが、大咲せり花さんの澄んだ
 スキャットのうちに語られます。
 おふたりの“歩み”が“努力”がしみじみ
 感じられます。


 (洋さん)

  時の過ぎるのは早いもの
  このめぐり逢いは私の明日への
  希望となるでしょう
  切なくやるせない時
  私にはいつも舞台が助け
  光を与えてくれました
  その光は空に舞い七色に輝き
  未来への道を示してくれ
  ました
  そして友がどんな時でも
  一人ではない事を教えて
  くれたのです
  今日お越し下さいました皆様
  本当にありがとうございます
  私はこれからも愛に生き
  夢を求め自分の信じる道を
  歩き続けて参ります


 (汀さん)

  今日の喜びが時を越えた新しい
  旅のはじまりです
  人との出会いが
  このような現実の夢になることを
  再び知ることができました
  今すべての皆様に
  感謝の気持ちでいっぱいです
  ありがとうございました
  私たちは
  こらからも愛と夢を
  おくり続けたいと願っております

 (洋さん)

  My  ソング ! 
     My  ダンス !
  それは私のダンディズム !


 (汀さん) 

  My   ライフ !
  それこそ 
  私のダンディズム !!

 ♪
My song 
 ラベンダー色の衣装とストールの
 汀さんが、人生を、又こらからの
 決心を語るように
 力強く歌いあげました。


 〜フィナーレ〜

 汀さん洋さんは黒の衣装に真っ白な
 羽を背中に、テーマソングの

 ♪ 永遠の輝き  
 ♪ 時空を越えて
 を高らかに歌い継ぎ、大きな感動を
 残して幕が下りました。

 「時空」実現のきっかけは、洋さんと
 「星影の人」の汀さんとの出会い。
 汀さんが発した感動は、時間・空間を
 越えて多くの人を巻き込み、今度は
 二人のコラボレーションとして
 私たちの感動に繋がってきました。

 とても個性的なお二人でした。
 「すごい!」この一言の汀さん。
 迫力の歌と表現の豊かさ、確かさ、
 情熱がじんじん伝わってきます。
 そして歌劇の大先輩に胸を借りた
 洋さん。
 まさに「しなやか!」という言葉が
 ぴったりでした。スリムな立ち姿に
 抜群のキレとノリを見せるダンス、
 伸びやかでクリアの声、ジョイント
 は更にお二人の個性を際立たせ舞台
 に一段と幅を持たせました。

 OSKの躍動感のあるダンス、
 夢先案内人・未央一さんのトーク、
 佐野多由子さんのピアノ演奏で
 更に厚みも増し、OSKと宝塚の良さ、
 キャスト、スタッフの情熱を
 感じる大きな舞台になりました。

 CDで「時空を越えて」
 「永遠の輝き」
 「憧れ」そして
 ダイアリーのテーマ曲
 「未来へ」を聴いては、
 この舞台と再び出会うことを
 切に願っております。












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